2014年に観た映画ベスト42

昨年は42本の新作映画を観たので、せっかくなので備忘録も兼ねてランキングにしてみた。 

 

昨年上映された映画のみ対象。2013年に公開されて、上映期間が2014年にまたがってる作品も含みます。2位のやつとか。

DVDやニコ生で観た作品もいくつかあったりもしますが、特に区別せず入れてます。

 

 【42~36位】

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42.物語る私たち
41.僕は友達が少ない
40.劇場版仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!
39.フランシス・ハ
38.マンデラ 自由への長い道
37.とらわれて夏
36.ハンナ・アーレント

 

『物語る私たち』『フランシス・ハ』『とらわれて夏』については、何を楽しんだらいいのか最後まで自分の中の焦点が見いだせなかった。世間一般で酷評されてるような映画じゃない、むしろ通好みの評判のいい作品なんですけどね。

 『僕は友達が少ない』『仮面ライダー鎧武』については、楽しめる分はしっかり楽しんだ上でこの位置。

僕は友達が少ない』、若い役者さん達はみんな頑張ってる、悪い大人達がいけないんだ!という感じで、特に星奈役と小鳩役の2人は、アニメ版の演技をかなり研究したんだろうなぁと思わせられる演じ方で好感を持ちました。

仮面ライダー鎧武』は、TVシリーズのコラボ回は傑作だったんだけど、劇場版の内容はすでにもうあんまり覚えてない…。

 

 【35~31位】

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35.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
34.超高速!参勤交代
33.キカイダー REBOOT
32.ローン・サバイバー
31.her/世界でひとつの彼女

 

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、合わなかった。カセットテープを聴きながら遺跡探索するシーンなんかは好きだけど。

キカイダー REBOOT』はリファインされたキカイダーのデザインはめちゃくちゃかっこよくて気に入ってるんだけど、特撮映画としてのケレン味に欠けていた。ワイヤーアクションを駆使した肉弾戦は見ごたえあるんだけど、鎧武コラボ回の、「駐車場でジローがキカイダーにチェンジすると、それに反応して同じ機械である車たちのライトが一斉に点滅をはじめる」っていう演出、あれイカしてたじゃないですか。ああいう、理屈は分からないがとにかく燃えるハッタリこそヒーローモノの醍醐味だと思うんだけど、そういうものは劇場版には無かったです。

 

【30~26位】

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30.平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
29.獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ
28.それでも夜は明ける
27.グランド・ブダペスト・ホテル
26.チョコレートドーナツ

 

ここらへんからはどれも面白かったです。

それでも夜は明ける』、長回し首吊りのインパクトが忘れられない。

『チョコレートドーナツ』、ラストは感動というより「うそやん…」って感じで、しばし呆然としてました。アラン・カミング素晴らしかったです。

 

【25~21位】

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25.そこのみにて光輝く
24.野のなななのか
23.5つ数えれば君の夢
22.烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS
21.東京難民

 

野のなななのか』は、2012年マイベスト映画である前作『この空の花 -長岡花火物語』ほどのエクスタシーに達するまでには至らなかったかな。

『5つ数えれば君の夢』、神聖かまってちゃん『ズッ友』のPVで知った監督の長編映画。台詞回しとかちょっとついていけないっすと思うところもあるんだけど、作り手の尖ったままの美意識を突きつけられる快感があって、この監督の次回作もまた見たいと思わせられました。

『烈車戦隊トッキュウジャー』、作中のテーマ「イマジネーション」が見事に消化された劇場版で、終盤のとある場面で涙腺が緩みました。なんて美しいシーンなんだ。戦隊映画の中でも傑作の部類に入るかと。

『東京難民』、もう少しリアルな感じに堕ちていく様が見れると思っていて、実際治験のエピソードあたりまではそういう目で見れていたんだけど、その後がちょっと波乱万丈すぎて、ホストになってからは自分と重ね合わせるのはやめてエンタメ映画として見てました。だって、ネカフェ難民から新宿のホストになれるのは中村蒼だからだろ!この時点で俺の転落人生イメージとは乖離してるよ!面白かったです。

 

【20~16位】

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20.ダラス・バイヤーズクラブ
19.プロミスト・ランド
18.仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル
17.GODZILLA ゴジラ
16.ブルージャスミン

 

『MOVIE大戦』、大満足の出来です。鎧武をやっと消化し切れた気がしたし、ドライブパートのシフトカー達が輪になっているところに落下して変身する場面の高揚感は半端なかったです。

GODZILLA』、個人的には終盤のサンフランシスコ市街地での怪獣プロレスが全て。口を無理やりこじ開けて熱線を流し込む荒々しいファイトスタイルを見て、まだまだ俺たちが見たことのないゴジラは創造できるんだと感慨深い気持ちに。次回作も日本での復活も、両方楽しみです。

 

【15~11位】

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15.渇き。
14.WOOD JOB! ~神去なあなあ日常
13.アクト・オブ・キリング
12.なんちゃって家族
11.スノーピアサー

 

『渇き。』、ラストの雪山のシーンの地獄っぷりが最高すぎませんか。『告白』よりこっちの方が好きかも。

アクト・オブ・キリング』、安岡力也みたいな男が「14歳の子を犯せたら最高だぜ」と言ってるのに対する周りの反応が、「ヒュー、さすが兄貴、サディストの鏡だぜ」的な感じだったのが修羅の国すぎる。インドネシアでは「サド」や「サディスト」が男らしさを象徴するイケてる言葉として定着してるっぽいのが面白いですね。絶対住みたくないなぁ。ラストの嗚咽は作為的に思えて初見ではすごく醒めてしまったんですが、あれは過去の行為がフラッシュバックしてああなったわけではなく、何か身体の中の憑き物を吐きだそうとしているんだという話を聞いてから、なんだかすごく納得してしまって、素直にあの場面を見られるようになりました。

『スノーピアサー』は最高のシチュエーション映画。細かいことは良く分からんがとにかくそのシチュエーションは最高だ。

 

【10~6位】

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10.アナと雪の女王
9.インターステラー
8.リアリティのダンス
7.ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
6.ラッシュ/プライドと友情

 

アナと雪の女王』、ほっぺたがぷにぷにしてて可愛い。とにかく「雪だるまつくろう」が大好きなんですよ。序盤の幼エルサが誤射で幼アナに怪我をさせちゃうシーンですでに泣きそうでした。後半よりも、エルサがありのままの姿見せる前までの雰囲気が好きです。

インターステラー』、SF映画として、自分のイメージの限界を広げてくれる映像が見れる作品は素晴らしいなと思います。今作ではひとつは球体状のワームホールという概念、もうひとつはCASEの衝撃の移動方法がそれです。

『リアリティのダンス』、ホドロフスキーおじいちゃんの慈愛に満ちた作品。画面外から監督が現れて、お父さんの手から拳銃を奪い取り去っていくシーンがとても好きです。難しい映画じゃないです。もっと見てほしい。

『ワールズ・エンド』、「ガキの頃できなかったことを、オッサンになった今また皆でやるんだ」なんてシチュエーション、それだけでキュンとくるものがあるじゃないですか。でも、ノリノリなのは大人になりきれていない主人公だけ、立派に社会人をやっている仲間たちはしぶしぶ付き合っている。未だにバカをやっている自分が、いつの日からか皆から憐みの目で見られるようになっている。寂しいなあ。映画は中盤から急展開を迎えるんだけど、世界を救わなくてもいいから、前半のどこかセンチメンタルな『ワールズ・エンド』をもっと見ていたかったんです。

ラッシュ/プライドと友情』、これはハマったなぁ…。映画板のスレが当時を知ってるF1オタのおっさんで溢れかえってて、映画で描かれていた時代のF1の話がたくさん聞けて面白かったです。有名なレースの映像を見たり、とんねるずのタカさんとアイルトン・セナのゴーカートレースの動画を見たり、色々と派生して楽しめました。

 

【5位】クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

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クレしん映画は『オトナ帝国』と、自分が小さい頃に見た初期の映画くらいしか視聴していないので、特別思い入れがあるわけではなく、ネットでの評判の良さと中島かずき脚本ということで半信半疑で足を運んだわけですが、いやもう素晴らしい作品です。『オトナ帝国』より好きかもしんない。終盤に腕相撲のシーンがあるんですが、同じ家族でもひろしと血でつながったしんのすけと、そうでない妻のみさえとのスタンスの違いが生々しくて壮絶ですよ。肉体とは、精神とは、記憶とは。そんなテーマに切り込んだ傑作です。今年一番考えさせられた映画ですマジで。

 

【4位】ホドロフスキーのDUNE

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なんだこのバイタリティは…。ホドロフスキーおじいちゃんの放つエネルギーが伝播して、見ていて元気と勇気をもらえる映画。共に映画を作る魂の戦士を探すなんていう燃え要素もあって、ドキュメンタリー苦手な人も物語として楽しいのでオススメです。たとえ形にはならなくても、ひとりの映画監督のエネルギーが誰かに影響を与えて世界を変えていく、最高に美しいお話です。人間情熱を失ったらいけないなあ。エレクトロニカ調の音楽も雰囲気に合っていて良いです。

 

【3位】ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅

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 もうこれはあらすじを聞いた時点で、こんなの絶対俺好きじゃんとツボをつかれました。アレクサンダー・ペイン作品は中学生の頃、『アバウト・シュミット』のあらすじを聞いた時も絶対見なきゃと思ったもので、昔からおじいちゃんモノ映画には弱いんですよね。ただ、中学生の頃は祖父の投影としておじいちゃん俳優を見ていたのが、今は父の数十年後の姿をそこに見るようになりました。大抵の父親というのは自分のことを話したがらない生き物だと思うので、父がこれまでの人生で何を思い、何を成し得、何を胸に生きてきたのか、そういうものに触れることができた時、現実でもちょっとグッとくるものがあったりするんですけど、この映画のラストシーンはまさにそんな感情が押し寄せてきて今年一番どばどば泣きました。車の中に隠れている息子の誇らしげな表情がまたいいですよね。

 

【2位】鑑定士と顔のない依頼人

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童貞おじいちゃんヴァージルに完全にシンクロしてしまい、「アレ」が全部無くなるシーンで「あぁっ」って少し声が出ました。ヴァージルは弱い女性を助けるナイトになるという形でしか恋愛ができないんだろうな、対等な関係で女性と向き合うのが怖いんだろうなと、なんだかすごく分かってしまうわけです。ネタバレ厳禁系映画なので本当に触れたいところについては書けないんですけど、気持ちがどこまで本物だったのか、もしかしたらあのシーンのあのセリフは本心だったんじゃないかと、見終わった後考えるのが楽しい映画です。

 

【1位】ウルフ・オブ・ウォールストリート

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ウルフ・オブ・ウォールストリート』という悪友に出会えた2014年だった。

 

以上。こんな感じです。

本当は昨年のうちにアップしたかったんだけど時間かかってしまった。

ついでに、昨年見た2013年以前の作品ベスト5はこんな感じでした。

5.イージー・ライダー(69年/米)

4.砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード(70年/米)

3.新幹線大爆破(75年/日)

2.儀式(71年/日)

1.横道世之介(13年/日)