2015年に観た映画10選
今年は新作映画をランキングにできるほど観れなかったので、旧作もひっくるめて2015年に視聴した作品すべてを対象に、良かった作品を10作選んでみました。
公開年は旧作は本国公開年、2015年に日本公開されたもののみ日本公開年としています。
【1位】ときめきに死す(84')
何年も前から観よう観ようと思いつつ、やっと昨年観ました。
オールタイムベスト級です。最高。
同監督では『家族ゲーム』なんかも大好きだったんですが、こっちのほうが圧倒されましたね。
単に印象的な絵が多いだけでなく、全編を通じて夏の北海道の涼しげな空気感が伝わってくるようで、観た後もその場に居合わせたような、こびりついて離れない感覚が残りました。
ただ、ラストシーンがあまりにも壮絶で、観終わってしばらく割と本気でヘコみました。
【2位】野火(15')
予告観た時、全く期待してなかったんですよ。自主製作映画というものにほとんど馴染みがないので、ビデオ撮りの安っぽく見える映像の質感が、それだけで映画としての期待値を下げる原因にもなっていたし、ビデオカメラで撮影をしている人の存在が透けて見えるような気がして。正直今youtubeで予告編を観てもあんま面白そうじゃねえなあと思います。
でもね、クリアな映像だからこその没入感、南国の熱気がねっとりまとわりついてくる肌感覚というのが確かにあったなと。あ、それと音がいいです。で、率直に言って地獄のような2時間でした。早く終わってくれ!ああでも傑作だもっと観ていたい!だめだ気が狂いそうだ!そんな自分の中のせめぎ合い。映画を観ながら極度の緊張状態に置かれていたので、主人公が戦場を抜け出した時本当に全身が脱力しました。
ご老人や子供連れのファミリーといった、幅広い層が観に来ていたのも印象的で、どこで聞きつけてきたんでしょうね。
【3位】バリー・リンドン(75')
キューブリック監督のカラー期の作品で、これだけ唯一見逃していたんですが、劇場で観る機会があったので満を持して観賞。
長尺だし、時代背景も詳しくないしで敷居が高そうに見えたので後回しにしてた本作ですが、主人公の立身出世をめぐる波乱万丈の物語は普通にワクワク楽しめてあっという間に3時間過ぎてしまうし、何といっても主人公の息子、ブライアンきゅんが死ぬほど可愛いですね!
「ブリティッシュ・グレナディアーズ」にのせて突き進んでいくシーンは有名ですが、やはり最高です。『パトリオット』にも類似したシーンがあってこれもいいんですが、前線の兵士たちがどんな心境なのか気になります。
【4位】キングスマン(15')
特撮オタとして、名乗りや決め台詞にこの上ないときめきを感じる性分なんですが、本作の決め台詞「Manners maketh man」は、言葉そのものの意味するところも、それを使うシチュエーションも最高にキマってて100点満点です。
もうひたすら楽しい映画でした。惜しむらくは、もっと傘アクションを堪能させてほしかったことくらいですかね。
【5位】ゾンビ(78')
なんか色んなバージョンがあるみたいですけど、Gyaoで配信されてたのはディレクターズカット完全版でいいのかな?それ観ました。
ホラーが苦手なので、ゾンビモノも本作含めたロメロ初期3部作くらいしか観てないんで下手なこと言えないなーとも思うんですが、本作はその3作の中でも一段と独特の雰囲気を持っているというか、こうやって淡々と牧歌的に世界は終わっていくんだなぁみたいな。ショッピングモールで立てこもってる主人公たちがスケートリンクやゲームコーナーで遊んでみたりしてるのが面白いですね。ゾンビモノと日常モノの親和性を感じたりして、「がっこうぐらし!」はしっかり本作の精神の延長にある作品なんだなと思いました。
「ゾンビが走るなんてもってのほか」みたいな意見があることだけは知っていたんですが、なるほど確かに本作を観ると、「普通にしていれば健康な大人なら逃げ切れるし、なんなら少しおちょくって遊ぶくらいの余裕すら持てる」相手から、逃げ場のない状況にまで追い詰められるのは独特の怖さがあるなあ。
【6位】イニシエーション・ラブ(15')
前田敦子は声がすごく魅力的な女優さんなんだなぁと知りました。
原作未読で情報完全にシャットダウンして観に行ったんですけど、気持ちいいくらいに騙されました。ラストの怒涛のネタばらし、劇場のざわつきもセットで最高でしたね!お行儀よく観賞してた観客たちを一気に狂騒に巻き込んで、ざわめきの中で幕を閉じるこの映画のあり方はめちゃくちゃかっこよかったし、最高にエンターテイナーしていたなぁと感じました。
【7位】そろばんずく(86')
「ときめきに死す」にハマってから、何作か森田芳光監督作品を観たんですが、その中で一番気に入ったのが本作でした。レビューサイトなんかの評判は軒並み低いですが、とにかくぶっ壊れててめちゃめちゃ面白い怪作ですよ!
ストーリーの脈略はあるにはあるけど、誰もが真面目に追っかける必要が無いとすぐ悟ると思うので、あとは尖りに尖ったシュールな演出の中からいくつお気に入りポイントを見つけるかが勝負みたいな感じです。自分が好きなシーンは、ノリさんが蕎麦屋に扮してライバル会社の会議室に潜り込む場面で、渡辺徹が小躍りしながらホワイトボードをひっくり返すと蕎麦の写真パネルが出てくるっていう、書いてて何が面白いのか全く伝わってないと思うんですが、すげえ好きなんです。そうそう、2回目の蕎麦屋のくだりは、箸が無いことをノリさんが糾弾されるシーンの絵がスタイリッシュでかっこよくて、何度も見返しました。そこからノリさんの一言でディスコに場面が切り替わる流れも秀逸ですよね。どうやったらこんなの思いつくんだろう。
【8位】東京物語(53')
『そろばんずく』の下で本当にいいんだろうかと、ランキングを作りながら何度も悩みました。
小津作品をはじめて観たんですが、こんなにスッと入ってくるとは思いませんでした。家族の温かみとか古き良き日本がどうたらみたいな映画では全くないです(そんな偏見を持ってました)。おそらく何百年前にも何百年後にもある、皆が抱える孤独についての物語です。この映画に出ている役者のほとんどが故人であることが、作品に描かれる生の営みのサイクルにより深みを与えているような気がします。
サイキック少年少女たちが一斉にゴジラの絵を掲げる場面、怪獣映画であんなにゾワッとくるシーン見たこと無いです。無機質な80年代のコンピュータ画面に淡々と映し出されるゴジラ警戒情報もじわじわ迫ってくる恐怖感があっていいですね。
ビオランテが無数の触手をくねらせながら突進してくる場面は圧倒されます。一本一本吊るした触手をスタッフ総出で動かしている様子がDVDのメイキングでも見れますが、こういうアナログな試行錯誤がある特撮はやっぱり良いものです。
【10位】の・ようなもの(81')
森田芳光監督3本目。予告編のクソダサいテロップは何なんだ。
主人公は何考えてるかはっきりしないし、話もどこに軸足を置いていいのかよく分からないまま進むので、全体的にはあんまりピンときてないんですが、ワンシーンだけ強烈に引き込まれる場面があります。
彼女のお父さんの前で落語を披露し、至極真っ当なダメ出しをされて、深夜から夜明けにかけての下町をひとりで家路に着く場面。ここから映画は落語の「道中づけ」によるトランス状態に入ります。どうしてこの場面に心を揺さぶられるのかうまく言葉にできないんですが、この高揚感とも切なさともつかない感覚を映像に乗せた一連のシーンは本当に素晴らしかったです。2015年に観た映画の中でワンシーンだけ選べと言われたら迷わずこれです。
2014年に観た映画ベスト42
昨年は42本の新作映画を観たので、せっかくなので備忘録も兼ねてランキングにしてみた。
昨年上映された映画のみ対象。2013年に公開されて、上映期間が2014年にまたがってる作品も含みます。2位のやつとか。
DVDやニコ生で観た作品もいくつかあったりもしますが、特に区別せず入れてます。
【42~36位】
42.物語る私たち
41.僕は友達が少ない
40.劇場版仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!
39.フランシス・ハ
38.マンデラ 自由への長い道
37.とらわれて夏
36.ハンナ・アーレント
『物語る私たち』『フランシス・ハ』『とらわれて夏』については、何を楽しんだらいいのか最後まで自分の中の焦点が見いだせなかった。世間一般で酷評されてるような映画じゃない、むしろ通好みの評判のいい作品なんですけどね。
『僕は友達が少ない』『仮面ライダー鎧武』については、楽しめる分はしっかり楽しんだ上でこの位置。
『僕は友達が少ない』、若い役者さん達はみんな頑張ってる、悪い大人達がいけないんだ!という感じで、特に星奈役と小鳩役の2人は、アニメ版の演技をかなり研究したんだろうなぁと思わせられる演じ方で好感を持ちました。
『仮面ライダー鎧武』は、TVシリーズのコラボ回は傑作だったんだけど、劇場版の内容はすでにもうあんまり覚えてない…。
【35~31位】
35.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
34.超高速!参勤交代
33.キカイダー REBOOT
32.ローン・サバイバー
31.her/世界でひとつの彼女
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、合わなかった。カセットテープを聴きながら遺跡探索するシーンなんかは好きだけど。
『キカイダー REBOOT』はリファインされたキカイダーのデザインはめちゃくちゃかっこよくて気に入ってるんだけど、特撮映画としてのケレン味に欠けていた。ワイヤーアクションを駆使した肉弾戦は見ごたえあるんだけど、鎧武コラボ回の、「駐車場でジローがキカイダーにチェンジすると、それに反応して同じ機械である車たちのライトが一斉に点滅をはじめる」っていう演出、あれイカしてたじゃないですか。ああいう、理屈は分からないがとにかく燃えるハッタリこそヒーローモノの醍醐味だと思うんだけど、そういうものは劇場版には無かったです。
【30~26位】
30.平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
29.獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ
28.それでも夜は明ける
27.グランド・ブダペスト・ホテル
26.チョコレートドーナツ
ここらへんからはどれも面白かったです。
『それでも夜は明ける』、長回し首吊りのインパクトが忘れられない。
『チョコレートドーナツ』、ラストは感動というより「うそやん…」って感じで、しばし呆然としてました。アラン・カミング素晴らしかったです。
【25~21位】
25.そこのみにて光輝く
24.野のなななのか
23.5つ数えれば君の夢
22.烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS
21.東京難民
『野のなななのか』は、2012年マイベスト映画である前作『この空の花 -長岡花火物語』ほどのエクスタシーに達するまでには至らなかったかな。
『5つ数えれば君の夢』、神聖かまってちゃん『ズッ友』のPVで知った監督の長編映画。台詞回しとかちょっとついていけないっすと思うところもあるんだけど、作り手の尖ったままの美意識を突きつけられる快感があって、この監督の次回作もまた見たいと思わせられました。
『烈車戦隊トッキュウジャー』、作中のテーマ「イマジネーション」が見事に消化された劇場版で、終盤のとある場面で涙腺が緩みました。なんて美しいシーンなんだ。戦隊映画の中でも傑作の部類に入るかと。
『東京難民』、もう少しリアルな感じに堕ちていく様が見れると思っていて、実際治験のエピソードあたりまではそういう目で見れていたんだけど、その後がちょっと波乱万丈すぎて、ホストになってからは自分と重ね合わせるのはやめてエンタメ映画として見てました。だって、ネカフェ難民から新宿のホストになれるのは中村蒼だからだろ!この時点で俺の転落人生イメージとは乖離してるよ!面白かったです。
【20~16位】
20.ダラス・バイヤーズクラブ
19.プロミスト・ランド
18.仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル
17.GODZILLA ゴジラ
16.ブルージャスミン
『MOVIE大戦』、大満足の出来です。鎧武をやっと消化し切れた気がしたし、ドライブパートのシフトカー達が輪になっているところに落下して変身する場面の高揚感は半端なかったです。
『GODZILLA』、個人的には終盤のサンフランシスコ市街地での怪獣プロレスが全て。口を無理やりこじ開けて熱線を流し込む荒々しいファイトスタイルを見て、まだまだ俺たちが見たことのないゴジラは創造できるんだと感慨深い気持ちに。次回作も日本での復活も、両方楽しみです。
【15~11位】
15.渇き。
14.WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
13.アクト・オブ・キリング
12.なんちゃって家族
11.スノーピアサー
『渇き。』、ラストの雪山のシーンの地獄っぷりが最高すぎませんか。『告白』よりこっちの方が好きかも。
『アクト・オブ・キリング』、安岡力也みたいな男が「14歳の子を犯せたら最高だぜ」と言ってるのに対する周りの反応が、「ヒュー、さすが兄貴、サディストの鏡だぜ」的な感じだったのが修羅の国すぎる。インドネシアでは「サド」や「サディスト」が男らしさを象徴するイケてる言葉として定着してるっぽいのが面白いですね。絶対住みたくないなぁ。ラストの嗚咽は作為的に思えて初見ではすごく醒めてしまったんですが、あれは過去の行為がフラッシュバックしてああなったわけではなく、何か身体の中の憑き物を吐きだそうとしているんだという話を聞いてから、なんだかすごく納得してしまって、素直にあの場面を見られるようになりました。
『スノーピアサー』は最高のシチュエーション映画。細かいことは良く分からんがとにかくそのシチュエーションは最高だ。
【10~6位】
10.アナと雪の女王
9.インターステラー
8.リアリティのダンス
7.ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
6.ラッシュ/プライドと友情
『アナと雪の女王』、ほっぺたがぷにぷにしてて可愛い。とにかく「雪だるまつくろう」が大好きなんですよ。序盤の幼エルサが誤射で幼アナに怪我をさせちゃうシーンですでに泣きそうでした。後半よりも、エルサがありのままの姿見せる前までの雰囲気が好きです。
『インターステラー』、SF映画として、自分のイメージの限界を広げてくれる映像が見れる作品は素晴らしいなと思います。今作ではひとつは球体状のワームホールという概念、もうひとつはCASEの衝撃の移動方法がそれです。
『リアリティのダンス』、ホドロフスキーおじいちゃんの慈愛に満ちた作品。画面外から監督が現れて、お父さんの手から拳銃を奪い取り去っていくシーンがとても好きです。難しい映画じゃないです。もっと見てほしい。
『ワールズ・エンド』、「ガキの頃できなかったことを、オッサンになった今また皆でやるんだ」なんてシチュエーション、それだけでキュンとくるものがあるじゃないですか。でも、ノリノリなのは大人になりきれていない主人公だけ、立派に社会人をやっている仲間たちはしぶしぶ付き合っている。未だにバカをやっている自分が、いつの日からか皆から憐みの目で見られるようになっている。寂しいなあ。映画は中盤から急展開を迎えるんだけど、世界を救わなくてもいいから、前半のどこかセンチメンタルな『ワールズ・エンド』をもっと見ていたかったんです。
『ラッシュ/プライドと友情』、これはハマったなぁ…。映画板のスレが当時を知ってるF1オタのおっさんで溢れかえってて、映画で描かれていた時代のF1の話がたくさん聞けて面白かったです。有名なレースの映像を見たり、とんねるずのタカさんとアイルトン・セナのゴーカートレースの動画を見たり、色々と派生して楽しめました。
【5位】クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
クレしん映画は『オトナ帝国』と、自分が小さい頃に見た初期の映画くらいしか視聴していないので、特別思い入れがあるわけではなく、ネットでの評判の良さと中島かずき脚本ということで半信半疑で足を運んだわけですが、いやもう素晴らしい作品です。『オトナ帝国』より好きかもしんない。終盤に腕相撲のシーンがあるんですが、同じ家族でもひろしと血でつながったしんのすけと、そうでない妻のみさえとのスタンスの違いが生々しくて壮絶ですよ。肉体とは、精神とは、記憶とは。そんなテーマに切り込んだ傑作です。今年一番考えさせられた映画ですマジで。
【4位】ホドロフスキーのDUNE
なんだこのバイタリティは…。ホドロフスキーおじいちゃんの放つエネルギーが伝播して、見ていて元気と勇気をもらえる映画。共に映画を作る魂の戦士を探すなんていう燃え要素もあって、ドキュメンタリー苦手な人も物語として楽しいのでオススメです。たとえ形にはならなくても、ひとりの映画監督のエネルギーが誰かに影響を与えて世界を変えていく、最高に美しいお話です。人間情熱を失ったらいけないなあ。エレクトロニカ調の音楽も雰囲気に合っていて良いです。
【3位】ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
もうこれはあらすじを聞いた時点で、こんなの絶対俺好きじゃんとツボをつかれました。アレクサンダー・ペイン作品は中学生の頃、『アバウト・シュミット』のあらすじを聞いた時も絶対見なきゃと思ったもので、昔からおじいちゃんモノ映画には弱いんですよね。ただ、中学生の頃は祖父の投影としておじいちゃん俳優を見ていたのが、今は父の数十年後の姿をそこに見るようになりました。大抵の父親というのは自分のことを話したがらない生き物だと思うので、父がこれまでの人生で何を思い、何を成し得、何を胸に生きてきたのか、そういうものに触れることができた時、現実でもちょっとグッとくるものがあったりするんですけど、この映画のラストシーンはまさにそんな感情が押し寄せてきて今年一番どばどば泣きました。車の中に隠れている息子の誇らしげな表情がまたいいですよね。
【2位】鑑定士と顔のない依頼人
童貞おじいちゃんヴァージルに完全にシンクロしてしまい、「アレ」が全部無くなるシーンで「あぁっ」って少し声が出ました。ヴァージルは弱い女性を助けるナイトになるという形でしか恋愛ができないんだろうな、対等な関係で女性と向き合うのが怖いんだろうなと、なんだかすごく分かってしまうわけです。ネタバレ厳禁系映画なので本当に触れたいところについては書けないんですけど、気持ちがどこまで本物だったのか、もしかしたらあのシーンのあのセリフは本心だったんじゃないかと、見終わった後考えるのが楽しい映画です。
【1位】ウルフ・オブ・ウォールストリート
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』という悪友に出会えた2014年だった。
以上。こんな感じです。
本当は昨年のうちにアップしたかったんだけど時間かかってしまった。
ついでに、昨年見た2013年以前の作品ベスト5はこんな感じでした。
5.イージー・ライダー(69年/米)
4.砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード(70年/米)
3.新幹線大爆破(75年/日)
2.儀式(71年/日)
1.横道世之介(13年/日)
10/26
『プロミスト・ランド』を見た。結構よかったよ。
映画を見ながら、自分の今の仕事について色々考えたりした。
組織の正義と個人の倫理の狭間での葛藤に苛まれることというのが、しばしばある。
たぶん大昔からいろんな人を悩ませているベタにもほどがあるジレンマで、この映画でも主人公がそんな境遇に陥って、最終的に、まあ映画らしい決断をするんだけど。
今週、こんなことがあった。
期日までに(と言っても猶予は2日間くらいしかない)、相手先の企業の担当者に書類をよこすよう指示していた案件があって、当日「別の案件で立て込んでて、回答を明日まで待ってくれ」と電話がきた。
別の案件というのはウチの会社の業務と無関係ではなく、どれだけ担当者が切羽詰まった状況なのかはなんとなく推測できた。
社会人1年目だったら「そうですか・・・じゃあ仕方ないですね・・・」と引き下がってたと思うけど(そんで後で上司に怒られる)、2年目ともなると「そんなのウチには関係ないです。とにかく明日の朝イチに私が確認できるよう書類を整えてください」くらいの回答はできるようになった。
期日といっても時間までは指定していなかったし、書類を確認するのはどちらにしろ翌日の午前中になる手筈だったので、実質8時間くらい期限を延ばしたことになる。
出来うる限りの良心的な対応をしたつもりだが、これは担当者(28歳女性)に徹夜をして仕上げろと命じているに他ならない。
書類は深夜にメールで届いていた。
俺個人は、基本的に「頑張らなくていいんだ。お前も親のスネなんていくらでもかじって、仕事が残っていても定時に帰り、困ったら生活保護に頼って生きていこうぜ」という人様に対して緩いスタンスの人間で、はっきり言って1日2日遅れたところで大した問題でもない(よしんば永遠に送られてくることが無かったとしても相手先が困るだけでウチの会社の不利益になることはない)書類を、「しつけ」として徹夜させてまで作らせるなんてのは嫌いだし傲慢だと思ってる。
28歳女性が今夜大事なデートの予定だったら?めっちゃ体調崩してたら?夜更かしはお肌の大敵では?
それでも後から「相手先担当者へのしつけがなってない」と上司に言われるのが嫌だから、人様の大事な夜を潰したのだ。
ちなみに自分はその夜飲み会でしたね。
まあ、約束を守らない相手に非があるとは思う。
でも、普段からやりとりをしていて、その担当者が他の相手先の担当と比べて、明らかに仕事を背負いこみすぎているのも知っている。
ただ、外部からよその会社に「一人に負荷がかかりすぎる運営体制を見直せ。人員の割に事業拡大しすぎ。人もっと雇え」とは言えないわけで。今日までそして明日からも、彼女に「四の五の言わずさっさとやれ」と言うことしかできない。窮状が伝わって、相手先の人事が動いてくれればいいんだけど。
という感じで、自分の中の道徳感と相反することを仕事ではやらなきゃいけない時があって、まあ上の話なんて可愛いもんです。たぶん割と普遍的な相手先とのひと悶着で、これなら業種が特定出来まいと思って例に挙げただけで、まあもっと酷い話もあるよね。
最近は、大河ドラマ『新選組!』の第38話「ある隊士の切腹」が以前にも増して染みるよ。
こんなことがよくあると、仕事と心の距離感をどう保つかを考えるようになっていく。
ひとつは、元々持っている心と別に仕事用のそれを作り出して、完全に住み分ける。元々持っている方は安全な場所に避難させておいて、仕事からの浸食を防ぐ。
もうひとつは、仕事でも自身の道徳を最大限に持ち出す。持ち出すだけだとあっという間に心が矯正されていくか鬱になるかなので、自身の道徳でもって相反するものと可能な限り戦う。
かっこいいのは後者ですね。映画のラストも後者。クビになるけどね。クビになりたくはないね。
だから前者が可能か試してみた時期もあったんだけど、あんまり上手くいかんかった。いつの間にか両者が融合してしまう。
なのでどっちつかずのまま、明日も仕事に行くね。
雷が鳴ってきた。パソコン閉じないと。
10/19
更新は週末夜に固定でとりあえずいいんじゃないかと思う。
ここ2週間ほど、仕事が四半期ごとにくる繁忙期と重なっていて、朝から晩まで仕事漬けだったので、さすがにこの連休はぐったり。
それでも休みの日はなるべくおでかけするようにしてたりする。
先月末は神戸で劇団鹿殺し『ジルゼの事情』を観劇、大阪で仮面ライダー鎧武ファイナルステージを観覧したり、先週は徳島でマチ★アソビを堪能したり。あ、全部ぼっちです。
今週の土曜は、それらに比べるとご近所なんだけど、吉備路サイクリングに行ったよ。
黒田勘兵衛の水攻めで有名な備中高松城跡で、寝転びながらハーモニカを吹いているおじいさんが尊かった。
以前、高尾山から景信山に向かう尾根伝いのルートで、登山者を鼓舞するような高らかな音色のフルートを吹いているおじいさんがいて、それも相当尊かったんだけど、古戦場に流れるハーモニカは、秋だなあという感じでした。
初詣では岡山で一番賑わうらしいのだけど、この時期の参道はこんな感じ。
vine!
2014年のブログだぞ。vineくらい使ってこ。
お寺は、どうも60年前くらいに一度母体の宗教から分離して、最近また戻ったみたいな経緯があるらしく、奥の方に行けば由緒正しきお寺さんという感じなんだけど、入口のあたりは新興宗教っぽさが強くて、軽く引きました。
ほんとは備中国分寺まで足を伸ばそうかとも思ったんだけど、なんか疲れたしヒトカラしたくなったので早めに帰った。
歌いたかった『花ハ踊レヤいろはにほ』をやっと歌えた。歌いだしの「パーッとパーッと」の音をとるのが難しいかなとも思ったけど、あそこアカペラだから音はずしてても修正効くんだよね。だからハナちゃんみたいに思い切りよく歌おうね。それより2番のサビ「ちりぬるを」がかつぜつ悪い一門としては最難関です。
はい。(話の締め方が分からなくなったので強制終了)
10/15
密度の薄い毎日を送っているような気がして、でも薄いなりに何かしら記録しておかないと、振り返った時にほんとに何にも無くなってそうなので、三日坊主上等でブログをはじめてみる。
書くことほんとに無いけれども。「新刊出ます」とか「新曲できました」とかブログに書きたい人生だった。
とりあえず一週間に一度更新でも目指してみようかな。
毎日更新ともなると、たとえば今日なんかは朝ニコ生のTSではがない実写版を見て以降、朝8時から夜10時近くまで仕事していただけの生活なので、まあ仕事のことはあんまり書けない以上、必然的にはがない実写版の話題を書くしかなくなってしまい、早々に心が折れることが目に見えている。
今年の初めごろにも、日記まがいのことをしてたことがあって、その時は
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を参考にノートに手書きでやってみたりしたんだけど、全然続かなかったですね。